第6話:ニンフは処女のうちは老けない。
隼人君はワインの着てる布切れを見て、とりあえずちゃんとした服を着せないと、
露出が大すぎていつも興奮してるわけにもいかないと思った。
とりあえず、自分が普段着てる服をワインに着せることにした。
「服?・・・そんな窮屈なもの着せるの?」
「だってさ、いつまでもそんな布切れみたいなもの着てると我慢できなくなりそう
だからさ・・・」
「我慢ってなに?」
「あのね・・・君みたいな裸同然な可愛いくてエロい子を見てると・・・エッチ
したくなるって言ってるの・・・分かる?」
「あ〜私とエッチしたいんだ?」
「あ、つうか、泳ぎに行くワケでもないのに水着みたいな格好はどうなの?って
思っただけだよ・・・」
「ほんとに?・・・」
「ほんと・・・まじでだよ・・・」
「私とエッチいことしたいって顔に書いてある・・・」
「書いてない・・・」
「そんな目で見るなよ・・・ほんとにほんとだって・・・」
「じゃあ、そう言うことにしといてあげる」
隼人君はタンスの中からトレーナーとジーンズを取り出した。
「少し、ブカいかもだけど・・・とりあえずこれ着てて・・・」
「男って、どの世界でもスケベだよね」
「やることしか頭にないんだから・・・」
「だから、そんなこと考えてないってば・・・」
「今日あったばかりで、そんなことしたらマズいだろうってって話だろ?」
「何、言ってるの向こうの世界じゃ、いきなり会ってセックスなんて普通だよ」
「みんなセックス挨拶みたいにやってるよ・・・」
「向こうは、向こうの風習ややり方があるんだろ?こっちと一緒にしない」
「まあね・・・向こうはみんななんで、そんなにセックスがしたいんだろ?」
「その点、私はまだ男経験ないけどね・・・」
「うそ?」
「処女なんだ?・・・」
「って言うか、セックスしないと干からびて死んじゃうって書いてあったけど」
「ワイン、今までよく干からびずにきたよな」
「ニンフはね、処女のうちは大丈夫なんだよ」
「ニンフって基本、長寿だけど一度でもセックスの味を覚えると老化が始まるの」
「だから、老けないよう逆にせっせとセックスするんだよ」
「だから、私は老けたくないから誰ともセックスはしないの・・・」
「でも、もし隼人が私のお眼鏡に叶うような男なら、将来的に処女捧げても
いいかも〜・・・なんちゃって、冗談だけど・・・」
ワインにはセックス自体それほど重要なことではなかった。
だからパンみたいに、いきなり男を誘惑するようなことはないのだ。
たぶんワインにとってセックスは子供を作るための行為でしかないようだ。
ワインにとって隼人君は今の所、ただの知り合ったばかりの男。
場合によっては、さよならするかもしれない男。
でも、これからワインは少しづつ隼人を好きになって行くのです。
そりゃそうだ・・・人間の世界で唯一知ってる男は隼人君しかいないんだから・・・頼れる人も隼人しかいない。
一緒にいたら情が湧くってもんでしょう。
まあそれは今後のことでワインは一晩、隼人君のアパートに厄介になったら
出て行くつもりだった。
「私がいたら迷惑でしょ」
「だから、明日出て行くね・・・」
「え?せっかく知り合えたのに、これっきり?」
「私たちが運命で結ばれてたらまた会えるかもね」
「そんな偶然、俺は信じない・・・別れたら二度と会えないよ」
「いろいろ、ありがとうね隼人・・・」
「待ってよ・・・どうせ、ここを出ても行くところないんだろ?」
「そうだけど・・・私みたいな可愛くてエロい女がいたら何かと迷惑だと思って・・・」
「そのうち隼人の彼女が来たら、なんて言い訳するつもり?」
「彼女が私を見たら、私がただの友達だって思わないよ・・・」
「彼女なんていないよ・・・いたらワインちゃんをナンパなんかしてないよ」
「なにが悪いのか知らないけどさ・・・俺って女と長く続いた試しないんだ」
「だからさ、せっかく知り合えた君にどこにも行ってほしくないんだ・・・」
「もっとワインちゃんのこと知りたいし・・・」
「君みたいな俺にとってタイプの子とこれから先、きっと巡り合わないって
思うんだよな・・・」
「思わない?・・・好きな人と別れたら一生後悔するって・・・」
「隼人・・・私のこと好きなの?・・・私が?隼人のタイプなの?」
「ワインちゃんに声かけた時、そう言ったろ?」
「へ〜そうなんだ・・・じゃ〜出てくのちょっと留まってみようかな」
つづく。
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