第5話:無防備なニンフちゃん。

隼人君はナンパしたワインを自分のアパートに連れ込んだ。

連れ込んだってのは語弊があるから、連れて行ったってことにしとこう。

路頭に迷ってたワインを今晩、泊まらせてあげることにした。


隼人君の部屋はほんとに狭かった。

キッチンがあって六畳一間、一応バス、トイレつき。

まあ、このへんは健斗君ちと似たり寄ったりだった。


ワインはソファからベッドに移動して腰掛けて言った。


「狭いね・・・」


「あはは、寝ちゃったら狭かろうが広かろうが関係ないから」

「なんか飲む?・・・たってコーラくらいしかないけど」


「コーラ?・・・なにコーラって」


「コーラはコーラ・・・俺もそんくらいしか知らない」


ワイン出されたコーラを飲んだ。


「マズ・・・」


「なに・・・コーラだめ?」


「薬みたい・・・それに喉の奥でシュワ〜ってなるんだけど・・・」


「炭酸もダメなのか・・・」


「じゃあ違うモノ、明日買ってきてあげるから、今日は水道水で我慢して」

「ごめんな、俺、普段コーラしか飲まないんだ・・・」


「ね、少し眠ってもいい?・・・夕べから寝てなくて・・・」

「ちょっと疲れた・・・」


そう言ってワインは、おおおあくびした。


「ああ、いいよ・・そのベッド使いな」


(無防備な子だな・・・俺はいきなり襲ったりしないけど、まがりなりにも

男の部屋だぞ、もし襲ったらどうすんだよ)


ワインはベッドに横になって、すぐにピースカ寝てしまった。


横になったワインの桃みたいなの尻を見て隼人君は、ちょっとイケない

気分になった。


(特徴は尖った耳と、男を惑わすナイスバディーか・・・)


「ダメだ・・・誘われたら、行っちゃうかもしれないけど、本人の承諾なしに

やっちゃったら強姦になっちゃうからな」


ワインが寝てしまって突然、暇になった隼人君は、彼女を放ったままどこかへ

行くこともできないからゲームで時間をつぶした。


隼人君がゲームで盛り上がってる最中にワインは腹が減ったと言って目を

覚ました。


「お腹すいた・・・」


「お、起きた?」


「私、どのくらい寝てた?」


「5時間ほど・・・」


「お好み焼きでよかったら作ってやろうか?、冷凍だけど・・・」


「おこなみ?」


「お好み焼き・・・」


「あっちの世界にはないのか?お好み焼き」


「ないよ、そんなもの」


「普段は木の実とか果物を中心に食べてるし・・・」


「じゃあ、待ってな・・・」


隼人君は早速、手製のお好み焼きをワインに作ってやった。


お好み焼き、初体験のワインは、美味い美味いと、5枚焼いたお好み焼きを、

ひとりで、ぺろっと平らげてしまった。


「ごめんね、隼人のぶんまで食べちゃって」


「いいよ・・・俺はカップ麺かカップ焼きそばでも食うから・・・」


そう、カップ麺とかレトルトとって・・・即席って言うのは本当に便利なんだ。


つづく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る