第9話

「俺たちには特別な力がある。何でもありのアウトローの集団さ。お前には力があるように見える。俺たちと一緒なら、生き残るための手段は惜しまないぜ。」


「生き残るためだけなら、そんなことには興味がない」とグレソは言ったが、その言葉にはかすかな迷いが込められていた。


「自己防衛のために仲間になるのは良い選択だ」と男は冷静に言った。


「お前のような奴がチームに加われば心強い。考えてみろ、孤独な酒飲みのまま終わるのか?それとも、自分の力を試すチャンスをつかむのか?」


その言葉が心の奥に響く。


グレソは、仲間たちを救えなかった自分の無力感が、再び押し寄せてくるのを感じた。


考え込む彼に対して男は一歩前に出て、さらに親しげに言った。


「お前が必要だ。何もかも失った今こそが、逆襲の時だと思わないか?俺たちと一緒に来て、力を合わせよう」


グレソはグラスに残った酒を飲みほし、無言で立ち上がると、男たちに目もくれず、そのまま店を出た。


「この野郎、せっかく兄貴が誘ってくれているのに」


愚連隊たちが店の外に出てきてグレソを取り囲む。


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