第8話

「お前の顔は見ない限りこの酒場にはいなかった。新顔か?それとも、仲間に見捨てられたのか?」


皮肉な言い方に、周囲は笑い声をあげる。


グレソの心に小さな怒りが湧いた。


「これはお前さんの得物かい?」


グレートソードに手を伸ばそうとした男に


「関係ないだろう」と、彼は怒った口調で答えたものの、心は揺らいでいた。


「ほおっておいてくれ」


男はその答えに少し驚いたようだが、すぐに笑顔を取り戻す。


「おい、そんな弱気なこと言うなよ。どうせなら、こっちに来て仲間にならないか?俺たち、素晴らしい愚連隊さ。力を合わせれば、大金と共にこの酒場を牛耳ることだってできる!」


その呼び掛けが周囲の人たちの興味を引き、いくつもの視線がグレソに集中する。


彼は大きく息を吸い、内心葛藤する。


仲間を見捨てた後悔の中で新しい仲間を持つことができるのだろうか。


男はグレソの心の葛藤を見抜いたのか、さらに続ける。


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