第4話
グレソは絶望感に襲われながらも、仲間たちに追いつかないといけないと思った。
大急ぎで町に戻り、魔術研究室の扉の前でグレソは必死に助けを求めていた。
「お願いだから、魔法陣を開いて私を戦場に送り込んでくれ!仲間が取り残されているんだ」
しかし、研究室の主任、マイルズは扉の小窓から顔だけ出し、眠たそうにしながら首を横に振る。
「申し訳ないが、それは私には出来ない。私にはそんな権限はない。あなた一人を単独で戦場に転送するのは危険すぎる」
「でも、ノウキンとケンジャが...」
「私にはここで研究をする責任がある。戦いに巻き込まれるわけにはいかない。彼らは自分で脱出する術を見つけるはずだ」
マイルズは面倒くさそうに視線を向ける。グレソは焦りと悔しさで歯を噛み締める。
「ならば、ほかのパーティと一緒に行く!手配してくれ!」
すると奥からヌッと研究室の所長が出てきた。
「待機命令」
「え?」
所長の思わぬ不意打ち発言にグレソは声を詰まらせた。
「あなたに待機命令が出ています。グレソさん。我々はこれから魔法陣の調査に向かいます。今日のところはお引き取りください」
「そんな、それじゃ納得できない」
バタバタと職員らしき人物が数名、研究所から出てきた。
「シルヴィアといいます。私も調査に一緒に行きます」
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