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見た目の細さが嘘のように食べるから、綾ちゃんの胃は女性の憧れだ。



モデル体型の綾ちゃんに比べて私はというと、太ってはないけど細くもない。けれど油断したらすぐ身体に出るから一応気を付けてはいる。



身長は低いし、胸はA寄りのBだし、くびれもないからまさしく幼児体型。コンプレックスってほどじゃないけど、まぁ…もう少し欲しいところ。いろいろと。



大学に入ってからは大人っぽく見せたくて中学から伸ばしてた胸下まであるロングヘアは思い切って肩に当たる程度にし、パーマとカラーでそれなりになったとは思うけれど。




「入学式も来れなかったんでしょー。忙しいんだね。

でもいいな、一人暮らし。憧れない?私も実家出たいな〜」




羨ましい、と綾ちゃんが呟いたところで、ちょうど私の注文したパスタが届いた。キノコと大葉の和風スープで、ほかほかと湯気がたっている。


いただきますをして、すぐに目の前のパスタに夢中になり綾ちゃんの話には適当に頷いておいた。



「あー、でも家事とか全部やんなきゃだし、割と大変そう。なんでも全部一人ってなると」


「そう?そうでもないよ」


「第一、寂しくない?」


「まぁ…、それはそうだけど」




私の返答に、新色のリップに覆われた形の良い唇が弧を描く。美女の微笑みなのに嫌な予感しかしない。



「だよねぇ〜?じゃ、どこにする?サークル」


「は」


「私的にはね〜、高校の時運動部だったから、バスケかバレーがいいな〜。テニスは焼けるし、野外系は嫌だなぁ。あ、でもダンスは楽しそう。料理サークルなんてのもあるらしんだけど。あー、でも出会いを求めるならインカレでもいいかな。うめはどう思う?」



口を挟む隙も与えず、捲し立てるように案を出す。満足そうな笑みをこちらにむけてくる彼女は、まさに悪徳勧誘者そのものだった。

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