第40話

そろそろ戻りましょうかとお母さんがちょうど言った時だった。




「奥様、百合さん」




その声に振り返ると秋さんが真剣な面持で立っていた。



「組長がお呼びです」



「今行きます」



お母さんとの暖かい空気が一変した。なんだか、これから何かが起こるんじゃないか。そんな前触れを感じるほど自分の心臓がバクバクと動き出していた。




「失礼いたします」




お母さんの後に続き、さっきまでいた応接間に入るとやっぱり嫌な予感しかしなかった。

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