第41話
お父さん、透さん、何より颯の顔が私のことをとても思ってくれている顔だった。颯の隣に座るとお父さんが静かに話し始めた。
「百合ちゃん。さっき‥南百合と言ったね」
「えっ‥はい」
お父さんの急な質問に頭の中はハテナでいっぱいだった。
「南というのは‥」
「あっ‥お母さんの苗字なんです。お父さんは婿に入ったと聞きました」
「そうか‥」
やっぱりというように頷くお父さん
「もしかして‥」
お父さんはゆっくりゆっくり口にした。
ドクン、ドクン‥
大きく響く心臓の音
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