第39話

「やっと‥、やっと今日からちゃんと思い出にできそうです」



「そう‥」



「やっと心から、両親に感謝することができます」



颯のお母さんは私を抱きしめてくれた。



「こんな綺麗で優しい子だもの。愛さなかったわけがないわ。はーちゃんでさえ親は可愛く見えるんだから」



「ふふふ‥」



久しぶりに母に抱きしめてもらった気がした。



「あ、あの‥!」



抱きしめてもらっていた体を離し、一つの決心をしたとき、



「うん、いいのよ」



もう全てが伝わっていた。




「お、お母さん‥」




「百合。これからは私の娘でもあるからね。よろしくね」



「こちらこそ、よろしくお願い致します!」

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