第152話

「百合…。体調が安定したらな」



私のオデコにキスを落とし隣へと戻る颯。それは当たり前のこと。子どもが安定していないのにむやみにその行為はできない。



颯は間違ってない。



なのに…



突き放されたように感じる私は子どもだった。




もうだめだ。

言えない…




朝起きれば直樹君が赤ちゃんにも栄養が行くようにとますますステキな朝ごはんを用意してくれて、みんなが私の体調を気遣ってくれる日が続いた。



秋さんも、何の疑いもなく私を病院へと送ってくれる。病院の入り口に入り、受付することなく、廊下のイスでぼーっと1時間潰し、何事もないように図書館に行く日々が続いて帰ると…私は目の前の男に連れ去られた。

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