第146話

いそいそと外に出て電話に出ると秋さんだった。



自分が連絡すら入れていないことに焦るものの、それより帰ったらなんて言おうということの方が大きかった。



妊娠してないうえに、妊娠できないなんて。



どうしたらいい?



助けて…



頭に浮かぶただ一人の愛しい人。

しがみつきたくてしょうがなかった。




ふぅー。落ちつくために息を吐き出す。弱音を吐いててもしょうがない。気を抜けば今にも地面に膝を折れてつけてしまうほど。




とにかく…


はやく言わないと。



颯に怪我をさせた前回と同じ二の舞になる。そんなことは分かってた。




でもなかなか言えない私に周りはどんどん進んでいく。

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