第138話

それは百合が通っていた図書館の貸出記録。でかい図書館。読む席に本を持って行く際も機械を通していたみたいだ。その機械に秋がアクセスすれば…



百合からは料理の勉強だと聞いていた。なのにここに並ぶのは



「不妊治療」

「不妊を治す」

「不妊と遺伝の関係性」



軽く50冊はあった。その全てが不妊治療のもの。



「俺も最初はハッタリかましてるのかと思ったんだ。そう言えば襲われないとでも思ってんのかってな。でもどうやら本当らしいな」



カチッカチッとジッポの蓋をいじる白城。



「それで?だから何だ?」



真っ直ぐ見つめそう聞けば



「フッ、読めないやつだな。まぁいい。姫は帰りたくないだと。そちらに」



「白城!!」



今度こそ透が白城の首元に掴みかかった。

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