愛×嘘

第130話

(颯side)



チッ…



ガタン!!! 



舌打ちと共に飛んでいく椅子。落ち着けと言い聞かせても俺の脳裏に浮かぶのは、百合があいつに触られている姿で。



「悪い、少し外す」



透達に声をかけ、ビルの外のエントランス。出てすぐにタバコに火をつけた。



フーッ…



ゆり…



これでもかと煙を肺に入れる。



よし…



一息だけ吸い潰したタバコ。一刻も早く百合を見つける。幹部部屋へ戻ろうとした時だった。



「浅見さん」



振り返れば見知らぬじいさんで



…誰だ?

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