(百合side）

「ーーーあ、ーーった」

人の話し声。低く力強いその声に私の意識は引き戻された。

「んっ…」

目を開ければ眩しい光に眩むほど。真上に吊されたライトが皓々と光っていた。だんだんと目が慣れてきて横たわっていた体を起こせば、どうやらソファーに寝かされていたみたいだった。

「お目覚めか」

不意に投げかけられた言葉に反応すれば

「誰？」

身長は颯とほぼ同じ、ハーフ？と思う程鼻筋が通って、瞳も髪の毛も色素の薄い、綺麗な柔らかなベージュの色。それでも、醸し出す雰囲気は明らかに裏の社会に染まった人のものだった。

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