第103話

それより…。透さんは今日若と行動をする予定だった。いや、今日じゃなくたって若と透さん、そして秋さんはいつも行動を共にする。



それは絶対に守らなければならない若を、この組最強のツートップで守っているからだ。



なのに…。


今日は俺の買い出しに百合さんがついてくると言ったときからおかしかった。ほんの一瞬だったけど、若と透さんは間違いなくアイコンタクトをとっていたし、きっとそれは以前出た通達のせいだと思った。



白城組の内部分裂後の通達。


“最低限二人以上での行動”



俺と百合さんで二人にはなるけど、何かあった場合俺では百合さんを守れないと判断されたんだ。そんなことは当たり前。百合さんと二人での外出なんて許されても透さんと秋さんレベルだ。俺ではこの間のこともあるし話にもならないだろう。



頭では分かっているのに…



やっぱり悔しい気持ちが勝っていた。きっと透さんのことをあんなにも笑ってるのも、俺と百合さんが自分のせいだと感じないようにするための若と秋さんの気遣いだ。



それに、雑魚だと若たちは言ってるけど俺にあの人数、まして電話しながら敵を落としていくなんて絶対にできない。



そろそろ俺も、成長しないといけないな…

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