第104話
(百合side)
直樹君が何か呟いた気がした。
気のせい…?
何はともあれ、みんな怪我無く帰って来れてよかった。安心したら何かお腹空いたみたいで…。何か軽いものがあるか確認しようと席を立った時だった。
「ゆりっ!!」
「ご、ごめんなさい」
立ち上がると同時に、何故だか目眩がして全身に力が入らなくなった。床に倒れる直前、気付けば颯が受け止めてくれていた。
「百合さん!大丈夫ですか?」
同じように手を伸ばしてくれていた秋さん
「百合さん!」
驚いた顔でいる直樹君にも心配をかけてしまった。
「謝らなくていい。百合、疲れたか。どこか調子悪いか?」
「ありがとう。立とうとしたら急に力入んなくなっちゃっただけ…。少し…気持ち悪いかも」
「帰るぞ」
不安げに揺れた颯の瞳。それを見て喜びを感じてしまう私がいて。少し気分が浮上した私を、颯は横抱きにしたまま立ち上がった。
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