第95話

「お前の婚姻挨拶の日取り決めだろ」



「だりぃな…」



なかなか腰を上げない颯



「車回してきました」



「秋!ナイスタイミング」



「チッ…」


秋が来たことにより行かなければいけない状況が完成した訳で、ようやく颯は席を立った。もちろん百合ちゃんに優しい笑顔で髪に手を通したと思ったら甘いキスつき。真っ赤になる百合ちゃんを微笑ましく見てるときだった。



「お気をつけて行って来てくださいね。…あっ!俺も今日の晩飯の材料切らしてるので買い物行きます。外までお見送りさせてください」



エプロンを外した直樹が来て。



「あっ!じゃぁ私も一緒に行こうかな。買い出し手伝うよ」



百合ちゃんまでもが席を立った。



いや、それは…



颯に視線を向ければ颯の目はもう俺に向いていて。



「あ、じゃあ俺も買い出し行く」



それはもう決まりだった。

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