第84話

(百合side)


どこか別の世界へ行ってしまったようだった。



お父さん、お母さんが殺されたと分かり、その犯人の顔まで見た。かなりの量のページがそれは真実だということを伝えていて、今の私が壊れるのは充分だった。



周りがどんどん南百合というイメージを作り上げていくのがただただ怖かった。


私はいい子じゃない、優しくない、きれいな白じゃない!!!この犯人だって殺したくてたまらない…。



口について出た言葉。


本音だったの。


でもそれを直樹君は許してくれなかった。



私らしくないから、南百合じゃないから。



気付いたら大好きな窓に腰掛けてた。それでも生きてるという感覚が欲しくてナイフを手に持ち、ヒヤリと冷たい感触を腕に当て確かめていた。



痛みも…あるのかな…

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