第84話
(百合side)
どこか別の世界へ行ってしまったようだった。
お父さん、お母さんが殺されたと分かり、その犯人の顔まで見た。かなりの量のページがそれは真実だということを伝えていて、今の私が壊れるのは充分だった。
周りがどんどん南百合というイメージを作り上げていくのがただただ怖かった。
私はいい子じゃない、優しくない、きれいな白じゃない!!!この犯人だって殺したくてたまらない…。
口について出た言葉。
本音だったの。
でもそれを直樹君は許してくれなかった。
私らしくないから、南百合じゃないから。
気付いたら大好きな窓に腰掛けてた。それでも生きてるという感覚が欲しくてナイフを手に持ち、ヒヤリと冷たい感触を腕に当て確かめていた。
痛みも…あるのかな…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます