第74話
窓は全開、身を半分乗りだしそこに腰掛けてる百合がいた。そして、手にはこのフロアのキッチンに置いてあった果物ナイフ。
「ゆり…」
百合まで5メートルの距離。名前を呼べばゆっくりゆっくりと振り返る百合。
「っ!!」
その瞬間、隣の透が息を飲むのが分かった。それもそのはず…。百合と出会ったときよりも深く、真っ暗な瞳をしていた。
「何も…うつしてねぇな」
それはもう何も映していない。
絶望だった。
前の俺ではきっと今の百合は救えなかった。
でも今は違うだろう?百合。
「ゆり…声は、声は聞こえるだろ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます