第69話
百合ちゃんも仕事であるといえ、家庭を持っているのに手を出していた。でも、どうしてその怒りを夫である藤堂に向けないのか。
“女の敵意は女に向かう”
まさにそれを象徴していた。
「あれ…」
少し離れたところに落ちている書類が目に入りそれを拾い上げれば…
「っ!颯!!」
どこからこの情報を手に入れた?
それは百合ちゃんが自分への手紙の存在を知った日。幹部部屋で一通づつチェックしてれば、たった一枚だけ見つかった言葉。百合ちゃんに何の変化もないから直接こいつに持ってこさせて揺すりをかけたか!
「くそっ!!!」
俺の隣でそれを目にした颯が一目散に走り出した。
「秋!頼んだ!」
書類を秋に投げ渡し、そいつらを任せれば颯の後を追い、閉まるエレベーターに滑り込んだ。
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