第68話
1階についたエレベーターを降り、同時に電話を切れば
「百合ちゃんヤバそうだね」
「あぁ」
苦い顔をして頷く颯。
百合ちゃんの心が壊れる寸前なのは俺も秋も知っていた。いきなり知らない奴から投げつけられ体も服も汚れただろう。ましてや女の子。ショックだって大きいのに彼女はいつもの笑顔で対応した。いつも通り、話しが大きくならないように。
出来すぎてる。
出来すぎるからあの子は脆い。
エントランスを抜ければ途端に聞こえる女の金切り声。
「こいつ!!」
秋が声を上げれば
「藤堂の嫁です」
そういうことか。秋の一言で颯も理解したようだった。あの件は確か会社には漏らさなかったが、こいつの家には女の関係が数人あることをばらまいた。
それで藤堂の嫁であるこいつが百合ちゃんに復讐したってとこか…
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