第61話

「…行こうかな」



少し考えた百合さん。本当は腰を上げるのもダルそうだし気分じゃないと思う。それでも外に出てくれるという。二人下まで行き、エントランスをくぐれば



「んー…あったかいね」



「そうっすね!」



気持ちのいいほどの青空だった。



百合さんから少し距離を取り、タバコの煙がいかないようにする。



フゥー…



特にお互い話すわけでもなかったけど、百合さんの表情は少し明るくなった気がした。



「直樹くん、ありがとう」



外に連れ出してくれてということだろうな。そんなことでお礼を言ってくれる。百合さんらしいなと笑ったときだった。




グシャッ…

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