第60話
(直樹side)
リビング階での仕事が落ちついた頃、また外でタバコを吸おうと思った。ここ最近、百合さんと外に出れば誰かしらが百合さんのことをとても褒めてくれた。俺まで鼻が高くなるぜ。
でも、昨日は途中から来た透さんの様子がなんだか違った。人と百合さんを触れあわせたくないような。
今日も百合さんと出ようと思ったが、誘っていいのか悩んでいると…。浮かない顔をしている百合さんが、一人ダイニングテーブルのイスに座りぼぉーとしてるのが目に入った。
それはまるできれいな人形。
瞳に光は宿っていないのに、俺の心臓を大きく跳ねさせるには充分だった。エプロンを外し、百合さんの隣のイスへと掛け近づく。
「あ、の…百合さん?」
「ん?」
反応してくれるもやっぱりいつもの百合さんじゃないようで。
「タバコ吸いに行くんですけど、百合さんもよかったら外出ませんか?って言ってもいつも通りの階段下までですけど」
結局気晴らしになればと声をかけた俺。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます