第51話
(颯side)
幹部部屋。最近の仕事といえばもっぱらこれ。
「こちらが昨日の分です」
そう言ってダンボール一箱分持った秋がテーブルの上、逆さまに中身を出せば
「毎日毎日、よく飽きないね」
「チッ…」
隣でため息交じりでそう言う透に止まらない俺の舌打ち。一瞬で紙の山となったテーブルには、もう見慣れた百合への手紙だった。
といっても、手紙なんて可愛いものじゃない。A四用紙、真っ赤な絵の具や黒のマジックで殴り書きしたようなそれは、酷く百合を傷つけるもの。
「別れろ、出てけ…死ね。書いてあることはいつもと同じか」
透が念のため目を通し、中身を確認していく。百合と繁華街へ行った次の日から始まったこの行為。百合に対しての攻撃で間違いなかった。
でもこの行為…
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