第47話

1分もしないで集まりだした人、人、人。



そりゃそうだよね。


イケメンっていう言葉も霞むほど、普通に暮らしてたらまず出会わないほどの綺麗な人たち。見たいに決まってる。



そして、その歓喜の視線の次はすごく嫌な目で見られた。



それは、トップの颯の隣に居る私に向けられていて。この場所を欲しがる人も山ほどいるだろう。それでも、颯を見上げれば優しくほほえんで、まるで私しか視界に入れてないような。



それが嬉しかった。



やっぱりこの場所だけは何としてでも守りたい。



そう思ったけど、すごい数向けられる憎悪に体は固まっていた。



足がすくむ…



怖い…。



恐怖に支配されそうな時、聞こえたのは颯の甘い声。力強く寄せられた体に、颯の服越しの体温。とても安心したんだ。


帰りはもう周りは人しか見えなくて…。必死に歩いて車についた途端安心感を感じ、もう記憶はなかった。



イクラは食べたいけどもうあの経験はしたくないな。

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