第42話

それから大量にあった寿司は男4人、あっという間に食い尽くした。



「さっ、帰るか」



透がそう声をかけ、帰り支度を始めたとき



「若、透さん、秋さん、そして百合さん。俺まで連れてきて頂いて本当にありがとうございました!」



頭を下げる直樹に



「私こそだよ。こんなすてきなところに連れてきてくれてみんなありがとう」



百合も俺ら全員にお礼を言った。



「あの、もっと今まで以上に皆さんにうまい飯作って!恩返しします」



気合い充分、直樹の言葉に全員の顔が綻んだ。


なのに



「直樹くん」



声をかけたのは百合。



「すごくおいしいお寿司で本当に感動したんだけど、私の中での1番は直樹くんのご飯だよ。私だけのために作ってくれるご飯が1番おいしいし、1番嬉しい」



ほほえむ百合にそんなことを言われたら…

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