第23話

「でもこの場所を若が作ってくれて言ったんです。ここを家族の集まるリビングにしてくれって」



直樹君から紡がれる颯の言葉に、心臓が大きくドクンと跳ねた。



「席についても食べれないし、食べれても残すかもしれない。それでも俺は、その言葉でここを皆さんをつなげる場所にしたかった。


俺の飯を楽しみに無事に帰ってきて欲しい。


忙しいのも若の方針である問題の早期解決にあるんです。小さいうちから全力で動くから忙しい。けどそれでこの町の安全を守ってる。


だったら…。その組員の健康を守ってる俺も、町の安全を守ってることになるんじゃないかって」



笑顔でキラキラと答える直樹君。それは余りにも眩しく、自然と涙が溢れそうだった。

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