第22話

「百合さん…」



直樹君の沈黙に耐えられなくて俯いた私。その視界に入ったのは、しゃがみ込み私の顔を覗き込む、やっぱり笑顔の直樹君だった。



「じゃぁ、まずは百合さんの質問に答えますね」



私の両手をぎゅっと包むよう握れば、ゆっくり直樹君は話だした。



「確かに、食材がもったいないとか、せっかく朝から作ったのに…とか思う時もあるんです。


でも、こんなことがあった日って絶対声かけてくれるんですよ。悪かったな、とか上手かったって。


若達だけじゃなくて皆さんです。大きな組だからゆっくり食事を取れないのは当たり前で、本当は別に食べなくても、個人で用意して食べても、何の問題もないんですよ」



そう言えば、直樹君が来る前は個人でコンビニや出前を頼んでたって透さんから聞いたことがあった。

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