第6話

「おい…何でつけてねぇんだよ」



いつもとは違う違和感が。



下にいる百合を見つめそう問えば



「料理してたから…汚れちゃう…」



何故だかカーッとみるみるうちに顔を真っ赤にさせ、俺ではなく横の壁を見てそう答える百合。どうせ百合のことだから汚れるの気にして外したんだろうが…



「婚約指輪だろ?それぐらい気にすんな」



もう何度も言ったこの言葉。反らされた顔をグイッと顎に手をかけ俺を見つめさせた。



「はや…て…」



「ん?」



震える声で何か言いたげな百合。少しぐらいは聞いてやる。返ってきたのは…

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