第40話
Ⅱ【旅】〔輪廻〕p40
今回のシーンは、私が中学生の時夢で
見たシーンを使いました
☺️💖💕
とてもリアルな夢で今でもはっきり覚えております。
巨大な透明球に人類が集められ、近づく月の脅威に怯えており、それを束ねるたぶん異星人の統率が狂気に走っていて、ルールを守らない人類は残酷に処刑されるという内容の夢でした🌌🌠
天井に届く高さまで振り上げられ、そのまま落とされるという酷い処刑で、私は恐怖の激しい鼓動の中目が覚めました😆
何という夢を見てた少女だ!😆😂🌌🌠✨
この小説では異星人がよく頑張ってます😄💖
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ハトラという名の幼女が次に私の魂を持っていた。
大きな透明球に集まった人々が、憔悴した表情で深刻な話し合いをしている。
民族や国家の違いを超越したコスモポリタンな会合だ。
球の外は灰色の夜で、巨大な青い月が球の半分程の大きさに見え、クレーターの構造も肉眼ではっきり分かる。
月の接近で地球の危機が近づいているのだ。
既に洪水によって、この場所に居る者達以外は全滅している。
大きな球と言っても、地球上に生き残った生物全てがゆったりと入っていることを考えると、このせいぜい直径200m程のスペースで足りる事実はあまりにも酷すぎる。
トゥーの父親ヤミ達は、でき得る限り多くの種を残そうと、必死で人類を始め地球上のあらゆる生物を救うべく努力をしたが、結局3000人程度の人類と数十種類の動物や植物だけしか残せなかった。
それでも、というよりそれだからこそ、残された命を後世に繋ぐ手助けをやり遂げなければならない。
今、ヤミ達は月の軌道をずらす計画を説明していたのだ。
それにはまずヤミ達が他の星から来ていることの説明が必要だった。
対策としては、母船を二手に分け、両方からエネルギービームの壁を発射して月を押すという原始的なやり方だった。
仮にそのやり方が成功しても、月の軌道を変えることによって新たに他の惑星への影響も出るし、再び地球自体も地軸の乱れなどの多大な被害を被る可能性大であること、それによって起こる氷河期等の到来は避けられないこと等を詳しく話し、その場合の対策と手段等の説明と話し合いは二日間に渡って行われた。
現在既に地球の自転速度も落ち続けている。
時空を含めた様々なコントロール可能な透明球内は安全対策も万全だが、いずれにしても地球での生存は暫く無理だ。
これまでヤミ達の支えによって可也の文明的発展と知識を得ていた地球人達は、窮地に立たされ藁をもすがる心境であることも手伝い、総てを抵抗なくすんなりと受け入れた。
月と地球の衝突まで残り時間はもう僅かしか無い。
しかも、ここまで接近した両者の間にエネルギービームを挟んだ場合、地球が押される可能性もある。
地球が現在の位置より太陽から離れる、或いは近づくということは、一時的な氷河期どころでは無い天体崩壊、軽く済んだとしても生態系が完全に崩れ、人類の存続は諦めることにもなり得る。
また、エネルギービームのコントロールに失敗すれば、月か地球どちらかが突き飛ばされる可能性もある。
破壊する可能性すらもだ。
地球を動かさずに月だけ移動させるため、一瞬の弛みも無く、月方向へ進みながらのビーム発射を繰り返さなければならない。
ヤミ達は早速取りかかった。
まず、生き残った生物達を乗せた透明球を、既にワープして来た母船に合体させ安全を確保した。
地球人達は初めて見る漆黒の宇宙と、その中に浮かぶ青い地球そして月の、目を見張る迫力に圧倒されている。
母船は二手に分かれた後、それぞれの透明球が縦1列に並んだ。
その流れ星のように素早くスムーズな動きは、最悪な事態の中でさえ人類の本能的な美に対する歓喜を呼び起こすほどに美しいショーであった。
分かれた母船の両側から一緒にビームを発射して同時に月側へ進む。
月の重力で、ビームがオーロラのように揺らぎ出したら元の位置に戻りまた最初から始めるという単純且つ原始的な作業を何度も繰返し、ようやく月は地球にとって都合の良い場所に落ち着いた。
地球の地軸は乱れ、落ち着くまでの氷河期に入った。
人類を含めた地球の生物達は、氷河期が終わり新たな人類が自然に誕生する頃まで、時間の流れを長くコントロールした母船の中で過ごすことになった。
あまり新人類の文明が進んでしまわないうちに交わった方が問題が少ないだろう。
それまでの間、ヤミ達が人類に施した教育を、現在の人類によって新人類にも与えられるよう様々な指導が成された。
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