第36話 放蕩者のアウレリャノ・ホセは、政府軍に暗殺される
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アウレリャノ・ホセが帰宅してから二、三か月、ブエンディア家を一組の親子が訪ねてくる。母親に連れられた5歳くらいの男の子は、アウレリャノ・ブエンディア大佐の子供だということだった。その後も、つぎつぎとアウレリャノ・ブエンディア大佐が女に産ませたという男の子がマコンドに現れる。最初は、ウルスラとアマランタが男の子を引き取って育てようかとも考えたが、最終的に17人にもなった大佐の息子を引き取ることはあきらめた。
――アウレリャノに始末をつけさせるのよ。あの子がどうするか、決めるでしょ。
そうしているうちに、戦争がふたたび緊迫してくる。守備隊の指揮官であるアキレス・リカルド大尉が事実上、マコンドの実権を握った。ウルスラは孫のアウレリャノ・ホセに「近いうちに大変なことが起こるから、夕方以降は外には出ないでおくれ」と言い聞かせたが、アマランタへの情熱が消えたアウレリャノ・ホセは、気ままで自堕落な毎日を送った。
家に寄り付かなくなったアウレリャノ・ホセは、生みの親で自分のことを自由にさせてくれるピラル・テルネラの家に入りびたり、近所の娘たちを部屋に引き入れては逢引きを楽しんでいた。「今夜は外出しちゃだめ」アウレリャノ・ホセは、ピラル・テルネラの言うことも聞かなかった。芝居小屋へ出かけ、そこで守備隊とトラブルになったアウレリャノ・ホセは、自由主義者を憎む保守派のアキレス・リカルド大尉によって射殺されてしまう。
――くそ。こいつがアウレリャノ・ブエンディア大佐だったらな。
アウレリャノ・ホセは殺されたが、同時に政府軍を憎む自由主義者たちによって、アキレス・リカルド大尉も殺される。保守党と自由党の闘争がふたたびマコンドに吹き荒れようとしていた。
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