第34話 戦争が終わり保守党のホセ・ラケル・モンカダ将軍がマコンドを統治する

180ページまで読んだ。


 ――あの子はもう、わたしたちのものじゃないわ。

 ――このアウレリャノという人が、保守党員でないのは残念です。


 戦争が終わった日からマコンドの町長となったのは、保守党のホセ・ラケル・モンカダ将軍だった。アウレリャノ・ブエンディア大佐の恐るべき敵だったこともあった将軍は、自由党に支配されていたマコンドの市民に対して人道的かつ融和的な政策をとり、マコンドの実力者であるブエンディア家を取り仕切るウルスラとの関係も非常によい。将軍は軍服を脱ぎ、町に兵隊の代わりに警官を配置し、住民に厳しく法律を守らせて、マコンドを町から市へ昇格させる。


 ブエンディア家では、サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダの子供たち――アウレリャノ・セグンドとホセ・アルカディオ・セグンドが、将軍の作った学校に通うようになっている。そして、娘のレメディオスも美しく成長している。ウルスラは年を取ったが少しも老いぼれることがなく、菓子屋の商売に精を出して息子が戦争につぎ込んだお金を取り戻している。


 ――わたしが生きているうちは。この変人ぞろいの屋敷にもお金だけは不足しないよ。


 そんなとき、ニカラグァの連邦軍を脱走したアウレリャノ・ホセが、マコンドへ戻ってくる。



 アウレリャノ・ホセ、帰ってくるの早すぎやしないかいと思ったのですが……。

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