第31話 町を建設した族長、ホセ・アルカディオ・ブエンディアの死

172ページまで読んだ。


 アウレリャノ・ブエンディア大佐からウルスラの元に手紙が届いた。その手紙には


〈まもなく死ぬはずですから、パパの面倒をよくみてください〉


とあった。パパとは、一族を引き連れこのマコンドへやってきて、町を建設した男、ホセ・アルカディオ・ブエンディアにほかならない。


驚いたウルスラは正気を失って栗の木に縛られている夫を家に運び込み面倒をみようとするが、ホセ・アルカディオ・ブエンディアにとってそんなことはどうでもよくなっていた。


その頃の彼はプルデンシオ・アギラルとしか会話ができなくなっていた。プルデンシオ・アギラルとは、ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラの夫婦が故郷を捨て、マコンドへやって来ざるを得なくなった原因を作った男である。ホセ・アルカディオ・ブエンディアを侮辱し、彼に殺された男だ。プルデンシオ・アギラルに導かれるようにして、ホセ・アルカディオ・ブエンディアは死出の旅路につく。


朝、夫に食事を運ぼうとしていたウルスラは、死んでしまったメルキアデスに見まがう姿をした男に出会う。この家で働いているインディオ、ビシタシオンの行方不明になっていた弟、カタウレだった。


――どうして戻ってきたの。

――王様の埋葬に立ち会うだめだよ。


一同がホセ・アルカディオ・ブエンディアの部屋へ入ると、彼はもう亡くなっていた。彼を埋葬する準備に取り掛かると、空から小さな黄色い花が雨のように降りだす。一晩中降り続いた花は町を覆い尽くし、葬式の行列を通すためにシャベルやレーキで掻き捨てなげればならなかった。



マコンドを建設したホセ・アルカディオ・ブエンディアの死を描く場面は非常に感傷的で感動しました。彼にとって、あるいはマコンドにとってのキーパーソンはふたり、メルキアデスとプルデンシオ・アギラルだったんだなあと納得。

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