第29話 予知能力を自覚したアウレリャノ・ブエンディア大佐ふたたびの帰還

ロケ・カルニセロ大尉とその6人の部下は、アウレリャノ・ブエンディア大佐の命を助け、マコンドから逃亡する。リオアチャで死刑を宣告された革命軍のビクトリオ・メディーナ将軍と合流するためだ。


変幻自在の戦術を駆使して政府軍を翻弄する大佐がリオアチャの近くまできた頃には、すでに将軍は処刑されており、部下たちは大佐を革命軍の指導者に推す。16回の攻撃に失敗したが、17回目の戦いでアウレリャノ・ブエンディア大佐はリオアチャを攻略、ここに総司令部を置いた。


大佐の行動について、自由党はなんの関わりもなく、アウレリャノ・ブエンディア大佐は山師であると決めつけたため、政府は大佐に向けてその軍隊を撤収させなければ、マコンドに捕らえているヘリネルド・マルケス大佐を銃殺すると威嚇してきた。これに対し、大佐は、もしそうなら捕虜にしている政府軍の将校たちを順番に銃殺していくと応じ、三ヶ月後、マコンドに凱旋する。


マコンドでは、ウルスラが率いるブエンディア一族が大佐を迎えるが、その中にホセ・アルカディオ夫婦の姿はなかった。大佐の兄であるホセ・アルカディオはある日、密室の中で耳から血を流して死んでいるのが発見されたのだ。部屋には火薬の匂いが満ちていたが、なにが彼を死に至らしめたのか誰にも分からなかった。以来、彼の妻レベーカは屋敷の中にこもりきりになってしまい、やがて町の人は彼女のことを忘れてしまうのだった。



ホセ・アルカディオの右耳から流れ出た血が、彼とレベーカの家から流れ出して、通りを渡り、何人もの町の人の目の前を流れて、母親の元へたどりつきウルスラが息子の異変に気付く――という描写があるのだが、こういう描写がマジック・リアリズムと呼ばれているのだろうか。。。

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