第25話 アルカディオはブエンディア家からの疎外感を深める

142ページまで読んだ。


ウルスラは、マコンドの冷酷な支配者となったアルカディオをブエンディア家のほかの子どもたちと同じように育ててきたつもりだったが、アルカディオはそう思っておらず、家の中に居場所がなく辛い思いをしてきたと感じていた。


――実は、おれはブエンディア家の人間じゃないんだ。


しかし、アルカディオは自分の出生の秘密を知っていたわけではなかった。ブエンディア家から疎外されていると感じたアルカディオが救いを求めたのは、(自身はそうとは知らない)実の母親であるピラル・テルネラだった。


――みんな知ってるんだ。お前がだれとでも寝るってことは。


強引に関係を持とうとするアルカディオを恐れて、ピラル・テルネラは自身の替え玉として、大金を支払ってその気にさせたサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダという少女をあてがう。母親の計略どおりサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダに救いを見出したアルカディオは結婚することなく、彼女とのあいだに女の子をもうける。


ブエンディア家の中で、このことを知っているのはホセ・アルカディオとレベーカの夫婦だけだった。マコンドの支配者となったアルカディオは、力づくで他人の土地を勝手に耕作していたホセ・アルカディオと結託する。土地の所有権をホセ・アルカディオに認める代わりに、土地から得られる収益の一部をアルカディオに差し出させたのだ。


アルカディオの違法な蓄財を知ったウルスラは激怒する。


――お前はブエンディア家の恥だよ!


同時にアルカディオが同棲している妻と赤ん坊、そしてお腹にいる子どもの存在を知って、このことを戦場のアウレリャノ・ブエンディア大佐に知らせようとするが、そのときマコンドにも戦争がやってきて、大佐に知らせることはできなかった。

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