第26話 マコンドが戦場になり、アルカディオは処刑される

148ページまで読んだ。


それの話はひとりでマコンドにやってきた白髪頭の老婆がもたらした。老婆は兵舎に住むアルカディオの前に姿を現すと、直立不動の姿勢をとり自分はグレゴリオ・スティーヴンソン大佐であると名乗って、アルカディオにアウレリャノ・ブエンディア大佐の命令を伝えた。


――抵抗することなく陣地を明け渡せ。


自由党の拠点が各地で壊滅している現状にあって、マコンドの自由主義者は政府軍に降伏せよという命令だった。アルカディオは、グレゴリオ・スティーブンソン大佐を信用せず、身柄を監禁した。


やがてマコンドは政府軍からの攻撃にさらされる。敵との戦力差は大きく、マコンドの自由主義者の敗北はあきらかだった。アルカディオは、グレゴリオ・スティーブンソン大佐に武器を渡すと、家族を守るために町へ飛び出すが、敵兵に見つかり投降する。グレゴリオ・スティーブンソン大佐は、高い戦闘能力を示して敵をひるませるが、戦術を砲撃戦に切り替えた敵によって戦死させられる。


朝、アルカディオは略式の軍事裁判にかけられ処刑される。銃殺刑に処せられるもでの短い時間に、アルカディオはつぎつぎに家族のことを思い出す。正気を失ってしまった育ての父親と母親、若い妻とまだ名前もない幼い娘。これまで憎んでいた人たちを深く愛していることに気づく。


――妻に伝えてください。娘にはウルスラと名前を付けるように。生まれる子供が男だったらホセ・アルカディオと名付けるようにと。



みじかい要約だと伝わらないのですが、処刑前にアルカディオが家族に対する愛情に気づく場面で泣ける。自分の生い立ちを知らされないまま成長したかわいそうな男なんですよね。大佐の言いつけを守って降伏していれば、殺されることもなかったのにと考えると、なおさらかわいそう。

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