第21話 町長がアウレリャノを政治に目覚めさせる

122ページまで読んだ。


ウルスラは、アマランタとピエトロ・クリスピの結婚についてアウレリャノに相談するが、アウレリャノはたいして興味を示さなかった。彼にとってもっと大切なことが進行していたからだ。


選挙が間近に迫ったある日、レメディオスの父親であり、アウレリャノにとっては舅にあたるマコンドの町長ドン・アポリナル・モコステが


――自由主義者たちはいよいよ戦争をおっぱじめるつもりらしい。


という話をはじめた。このときのアウレリャノは保守党と自由党の違いも分からなかったが、ドン・アポリナル・モコステは保守主義者で自由主義者を危険視していた。


ドン・アポリナル・モコステは、選挙結果を保守党が勝利するよう不正に操作したり、街の人から取り上げた刃物や武器を自由主義者が反乱のために用意したものだと偽って政府に報告していた。


こうした舅の言動に不信感を持っていたアウレリャノは、仲間と酒場で飲んだ際、自由党か保守党かどちらを選ぶ? と聞かれて


――どちらかといえば自由党だな。


と答えたが、これが後の彼の運命を決めた。

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