第7話 女にうつつを抜かすホセ・アルカディオ

44ページまで読んだ。


ホセ・アルカディオ・ブエンディアの長男であるホセ・アルカディオは堂々とした体躯をもつ若者である。体だけでなくアレも異常なほど立派だったので、母親のウルスラは彼のイチモツが例の「豚のしっぽ」にあたるものではないかと不安になり、家事手伝いのために家に出入りしているピラル・テルネラという女に相談した。


このピラル・テルネラは「男好きのする商売女」で、興味をもった若いホセ・アルカディオを誘惑する。彼女に触れられたことで性欲に目覚めたホセ・アルカディオはピラル・テルネラのことで頭がいっぱいになる。ホセ・アルカディオが何度かピラル・テルネラの家へ通ううちにふたりには体の関係ができてしまう。


一方、ホセ・アルカディオ・ブエンディアは、次男のアウレリャノと共に錬金術で鍋の底にへばりついてしまったウルスラの金貨を分離することに熱中していた。錬金術に興味を示さないホセ・アルカディオと違い、アウレリャノは非常にカンのいいところを見せていたからだ。


ホセ・アルカディオとピラル・テルネラとができてしまったちょうどその頃、ホセ・アルカディオ・ブエンディアとアウレリャノはついに鍋の底から金を分離することに成功し、家中が大騒ぎになる。ところが、そんなときもホセ・アルカディオはピラル・テルネラとの情事を思い出してはうつつを抜かしていたので、ホセ・アルカディオ・ブエンディアは激怒し、長男を殴りつけてしまう。


ホセ・アルカディオは、父親への憎しみとピラル・テルネアへの欲望から、家を出て彼女と一緒になりたいと考えるようになり、ピラル・テルネラとの関係を弟であるアウレリャノにすべて打ち明けるのだった。



この小説はずっと「これはコントの台本なのか」という内容が続くのですが、ここまでの数ページは特におもしろい。直接の描写はないのものの官能小説のようでもある。ホセ・アルカディオ(ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラの長男)がピラル・テルネラに抱く、切なく恐ろしい性衝動の描写が秀逸です。若い男の性を誇張して描くとまさにこういう感じだと思いました。

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