第56話

「ケーキ食べれる?」




『いいんですか…』




「もちろん。…ショートケーキとチョコレートケーキなんだけど……」




『未緒さんが好きなほうでいいですよ』




「……提案なのですが…。半分こしない?」




うーん、と悩んでから、遠慮がちにこちらを見てくる。




…こういうとこは、年下みたいになる。




『もちろん。先どっち食べます?』




「…ショートケーキ」




『ふは、イチゴあげますよ』




「え!1個しかないよ?いいの?」




『はい(笑)じゃあ、いただきまーす』




「いただきます!」




ソファを背もたれにして床に座る未緒さんを、ソファに座ったまま見下ろす。




僕に気を遣ってか、普段よりテンション高め。




一口ずつ、美味しいとリアクションをくれるから、思わずこちらも笑顔になる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る