第41話

<h:会えますか>




既読がついたと思ったら、すぐに返信が来た。




?も絵文字もない文面に、らしくなさを感じつつも、彼がそういうなら…とOKの返事を送る。




私なんかに会って、何をどうするんだろう?




…というか、今日はクリスマスで、彼の好きな人の誕生日じゃなかったっけ…?




その結果報告…かな?




<h:未緒さんの家に行ってもいいですか?玄関でいいので>




さすがに、人の多いところで会うのはもう避けたほうがいいのか、と納得して、家に来てもらうことにした。




カフェでお会計のついでに、家に何もないし…とケーキを購入して、夜道を歩く。




仕事終わりはいつも、とぼとぼ歩いていた道も、約束があればテンポよく歩ける。




マンションに着いて、ケーキの箱を傾けないように気を付けて冷蔵庫に入れた。




『……うん、さすがに、ちょっとは…ね』




玄関でいいとは言われたけど、そういうわけにはいかないだろう。




部屋はいつも綺麗にしているつもりだけど、今朝使ったヘアアイロンが置きっぱなしだったりと、少しは片づけよう…

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