第24話

―約束の土曜日、17時45分。




さすがクリスマスシーズンの新宿。




どこもかしこも、ざわざわしている。




約束の百貨店の入り口に到着して、スマホを確認する。




あれから、彼からの連絡はない。




今日も、確認のためにメッセージしようかとも思ったけど、なんだか忙しいみたいだし…




それに、どんな風に文章を綴ればいいのかわからなくて、送ることができなかった。




店の中での待ち合わせだったから、外から店内の様子を確認するが、人が多くて待ち合わせには向いてなさそう。




そう思って、中には入らず、メインエントランス横で待つことにした。




イルミネーションがきらきらしている駅前を眺めながら、マフラーで口元まで覆った。




今日は朝から、ずっと心臓がどきどきしている。




ちらっと時計を見ると、18時ぴったり。




…どっちから来るかな?




駅だったら左かな…




そわそわ、きょろきょろ、落ち着きなく視線を動かして、彼を探す。




今日、名前を知ることができる、彼を。

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