第19話
『…そんなことより、私、…名前知らないんだけど…』
夜ご飯をコンビニで済ませていることが少し恥ずかしいのを理由に、ずっと聞きたいことを口にした。
「…あー。あ、じゃあ、今度頼みたいことあるんですけど…それオッケーしてくれたら教えます」
名前くらい、すんなり教えてもらえるものだと思っていた。
私はフルネーム教えてるし…
『…一応、聞いてみる』
「…クリスマスがお誕生日の人に、プレゼントを渡したくて…。一緒に探してほしいんです」
『…プレゼント。』
「はい。未緒さんおしゃれだし…」
頼み事、というから、もっと大変なことだと思っていた。
買い物くらい、というか、彼ともっと話していたいという気持ちのほうが強い。
『いいよ。プレゼント選びのお手伝いね。どういうのあげたいとかってあるの?』
「メイク…がいいかなって」
メイク…。最近は男の子もするもんね。
『なるほど。デパコスがいいかな?テスターたくさんおいてあるし、時間があるなら実際見るほうがいいと思うよ』
…なんて、一緒にお出かけしたいだけ…なんだけど。
「でぱ…?色とか見たいから、ぜひ。男だけだと入りづらそうなんで、お願いします」
”デパコス”のワードが聞きなれない、と眉を下げて笑う姿が可愛い。
…困った、かもしれない。
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