第5話
「グッズ列、最後尾こちらでーす!」
来たる土曜日。
いつもなら、平日できなかった家事や、持ち帰った仕事をしているけれど、今日は違う。
昨日から選んでおいた、とっておきの服とメイクで着飾って、ライブ会場に来ている。
そして、グッズ列にまで並んでしまっている…!
昨日、寝る時間も惜しんで、cranberryの曲を聴いたり、メンバーを調べたり、グッズを見つけたり…
かなり調べつくしたつもり…
おかげで少し寝不足だけど、アドレナリンのおかげで元気だ。
cranberryというのは、男性4人組のアイドルグループだった。
”アイドルのような笑顔で、アーティストクオリティの音楽を届ける”グループらしい。
20歳から26歳の4人のメンバーで構成されており、作曲作詞や振り付けをメンバーが担当することも多い…と。
メンバーの写真も沢山見たけど、全員が違ったタイプのイケメンだった。
そして、グッズもおしゃれで可愛くて、さりげないロゴだけのポーチやTシャツは普段使いもできそうなデザインで、つい欲しくなってしまった。
無事にお目当てのグッズをゲットして、開場時間まで休憩するため、会場近くのカフェに入った。
サンドイッチとカフェラテを頼んで、空いていた壁が一面ガラス張りになっているカウンター席へ。
隣では、綺麗な女性がパソコンで何やら作業をしていた。
すごい…キャリアウーマンっぽい…
カタカタとキーボードを打つ音を聞きながら、外を歩くcranberryのファンの子たちを眺める。
高校生や大学生くらいの年代が多いみたいだ。
そして、ほとんどがフリフリ、レース、ピンクといった可愛い恰好をしていた。
…年齢も上だし、上下黒の自分が場違いだと、そこで気づく。
せっかく来たから、ライブはしっかり見て帰るけど…
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