第3話

その名前に思わずにやけながら、そっとメッセージを開く。





<よし:お疲れ様。何時くらいに上がれそう?>






急いで返信。






<亜湖:あと1時間で終わらせる!>






少し返信を待ってみるも、よしくんのことだ。





すぐには返してくれない。







『…よし、やるか』






仕方なくスマホを伏せて、目の前の山積みの資料を手に取った。






「桜木、それ出来たらメールで送っといて。」






資料をまとめ終わり、それについてパソコンに入力をしていると、気づけば荷物をまとめた安藤さんがそばに立っていた。






『あ、はい、わかりました。お疲れ様です』






「お疲れ。もう終わるよね?気をつけて帰んなよ」






『はい、ありがとうございます』






山積みの資料を押し付けときながら、なんだかんだ優しい安藤さん。





先輩に恵まれてるなぁと、周りを見渡せば、隣の部署にも人がいなくて、フロア内に1人なことに気が付く。






よしくんのメッセージに返信してから1時間経ってしまっていたようだ。

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