第3話

「もう汗だっくだく!!」





「やっと昼飯〜おいしそー」






リハを終え、本番まで待機する。




すでに汗をかいて、疲れているけど、本番の楽しみのほうが断然勝っている。






「いただきまーす」





大食いの陸が1番に、大盛りの皿に手をつける。






『いただきます』





俺も陸の隣に座り、俺の前に座った舞斗と一緒に食べ始める。







夢衣と星は着替えを済ませ、ケータリングの前でワイワイと盛り付けている。






「あと3時間かー」





「早いな、こないだまでセトリ考えてたりしてたのになぁ」






確かに。




振り返ると、今年に入ってすぐ打ち合わせがあって、動き出したツアープロジェクト。





それがもう、初日まで来ている。







「いっただっきまーす」





「いただきまーす」






俺たちが食べ終わる頃に、やっと2人も戻ってきてご飯を食べ始める。






「さてと、穂多、ストレッチ付き合って」





『あぁ、うん』






「俺トイレ」






陸と一緒にストレッチマットを広げて、座った陸の背中を思い切り押す。






陸は体硬いほうだから、結構痛いはずなんだけど、本人が言うには思い切り押されたほうが気持ちがいいらしい。






そんなとこにも、陸の我慢強さが表れてるのかもなんて思う。

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