第2話

「そろそろ移動お願いしまーす」





しばらく楽屋で筋トレをしたり、雑談したりしていると、スタッフさんからの指示が飛ぶ。





5人揃って廊下に出ると、俺たちのために慌ただしく動き回る大勢のスタッフさん。





あらためて、自分たちがしようとしていることの重大さを感じる。






そんな人たちに返せるものといえば、必死にライブをこなすことだろう。





だからこそ、リハも気を抜いては出来ないのだ。







「マイクテストから始めて、その後オープニング通して、その後からはピックアップしてやりますね」






マイクテストは決まって夢衣からで。





いつも通り、何の迷いもない、透き通った声が会場に響き渡る。






それを聞きながら、他のメンバーとダンスの確認をして待つ。






「次木野さん」





『はい、よろしくお願いします』







朝だからか、少し喉が開きにくいけど、マイクを持てば意識も変わる。







「はい、オッケーです。次田所さん」






陸のラップ調のテストに合わせて、舞斗が即興でダンスしたりと、少しだけ場が和やかになり、オープニングのスタンバイに入る。






今回はステージが真っ暗な中のスタンバイ。





オープニング曲とともに、少しずつライトがステージに集まり、一気に始まるアッパーチューン。






リハだけど、スタッフさんしか見てないけど、今は絶対皆楽しいって表情してるなって思った。

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