第4話

「穂多ー、私も押してー」





『え、星は?』





「食べた直後だからダメだって。陸腹筋始めちゃったし」





『はいはい、夢衣は押さなくても柔らかいけどね』






ストレッチマットの上で開脚をして、ベッタリと床につく夢衣の背中を、無意味だけど押してみる。






「…はち、きゅー、じゅ!はい次」






さくさくと俺なんか本当に必要ないのにストレッチをこなす夢衣。






『俺水飲んできてい?』






「…しょーがないなぁ。いーよ、1人で出来ることするから」







そう言って、立ち上がり、また椅子に座る。






「あれ、穂多終わり?」





『あーうん。また後でするけど』






トイレから帰ってきた舞斗に不思議がられたけど、なんだか最近は夢衣との距離の取り方がわからない。





だから、ついつい逃げたくなってしまうのだ。

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