第51話
お父さんはこっちの事見えてないみたい。
どこかのおじさんと笑いながら話してるし…。
「見えてきたな、みなちゃん、網、お父さんから貰っておいで」
「うん」
お父さん、網ちょうだいって言う前に、はいって渡された。
なに?こっちの会話聞こえてたんだ?
それとも後ろに目と耳があるの?
なのに知らないフリして、イヤな感じ。
「やった~!大きい!」
昂おじさんの指示のもと、見えてきたカジカを網に入れて救い上げたら嬉しくて大きな声が出た。
はしゃぐ私をどこか寂しそうに見ていた昂おじさんは、針を外してバケツに魚を入れてくれた。
グロイけど、エイリアンみたいにカワイイ。
「ありがとうございます!すっごく可愛いです」
「・・・いいえ。良かったね」
あ、ちょっと引かれたかな?
「お~!!でっかいの釣れたんでない?良かったな~」
今までノータッチだったくせに、今さら来たって遅いんだよ~だ。
「お父さんは意地悪だから見せませ~ん」
「あ、なによう、いじけやがって」
「いじけてないもん」
子供みたいに追ってくるお父さんに昂おじさんは大人げないって呆れてた。
「じゃあな、また明日」
「おおー明日も凪がいいから出るな~。頼んだぞ」
「おう」
あ、ちゃんとお礼言ってなかったのに、もう帰っちゃった。
「みな~帰るぞ~」
「うん」
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