第36話
最高だけど、メンバー間じゃないと分からないようなミスは沢山あった。
でも、そんなことはどうでもいい。ステージの上からでも会場が盛り上がってる光景を見ることが出来たから。
「すっげ~!なんだあれ?あんなの初めてじゃね?」
「おお、意外とウケ良かったな」
ステージが終わった後も興奮が醒めない。
私たちは会場外に出て、通路で騒いでいた。
「いや~、アレだわ。三波が本番前に言ってた言葉が良かったもんな!」
賢人はご機嫌で、私の肩を抱いてご満悦だった。
て・・・テンション上がる気持ちは分からんでもないけどさ・・・。
ちょっと照れるわ、顔近いし。
「あっはっはっは!三波顔赤いし!好きなんじゃねーの?」
穂谷におちょくられる。
「~~~免疫がないだけです!」
好きでもないけど、それなりに整った顔が近くにあれば条件反射でこうなるんだよ!
「本当に?少しぐらい好きだべ?キスすっか!」
すっかじゃないよ!いい加減悪ふざけはやめてほしい!
「けんと~、何してるの?」
彼女さんがいつから見てたか分からないけど、助かった・・・。
そのままどこかに消えていく二人。
「あ~~…あれはホテル直行だべな」
「・・・・・」マジで?
穂谷と悟の会話にドギマギする。免疫が無いって、心臓に悪い。
残った三人で荷物を車に載せて、他のバンドを見ていた。
最後まで居れないし打ち上げにも参加出来ないけど、せめて対バンのステージを見たかった。
それなりに全国廻ってる人たちもいたからさ。
それにしても凄いな・・みんな演奏はともかくステージ慣れしてる。
実際、大げさにしなくても音は鳴るのだけど、あんな風に大きく振りかぶっているのにちゃんと的を外さないとか…。
さすがとしか言いようがない。
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