第21話

次の日の朝、私の日課である朝マラソンに付き合ってくれるミヲ兄。


「ムリしなくてもいいのに、疲れているんでしょ?」

「おれだって毎朝走ってるし」

「凄い、続けてんだ」

「あったり前、メタボジジイにはなりたくないもんな。ほら、行くぞ」


そう言って二人で走り出す。


私は体力をつけるため、朝マラソンを欠かさない。

ドラマーたる者、持久力が大切だ。


たった30分だけのステージでも、尋常じゃないくらいの体力が消耗されてしまう。


スポットライトの熱や、緊張によって不規則に動く鼓動。


普段の練習にはないもので、体力を奪われてしまうんだ。


そんなこともあって普段からの身体作りは欠かせない。



暫く走った後で、いつもの公園で一休みしてストレッチを行う。


もうそろそろ雪がウンザリするほど降る季節になるなーなんて考えていた時だった。



「昨日みたいなの、なしだぞ。———中学の頃みたいに頭ごなしに否定はしないからよ、せめて相談してくれよ」


なんか、やさしい?


「あとさ、将来のことは口出ししないけど—―――」


「ちゃんと大学はいけ―――でしょ?」


「そう。俺みたいに、なりたいものになれない可能性もあるからな。夢をいだきすぎて盲目的にならないように」


「はい、それは肝に銘じてます」

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